JETHRO TULL / AQUALUNG
               LYRICS & MUSIC by Jennie & Ian Anderson

ジェスロ・タルというのは18世紀の農民で発明家だった男の名前である。スコットランド・エディンバラ出身のイアン・アンダーソンは、その男の名前をとって1967年にタルを結成した。71年にリリースされた「アクアラング」で世界的なバンドとしての地位を確立する。タイトル・トラックのクレディットはアンダーソンの最初の妻、ジェニーだけだ。実際はイアンが殆ど、あるいは半分程度を書いているのだが、元々ジェニーが撮り続けたロンドンのホームレスの写真がこの曲のインピレーションになったからである。

AQUAとは水、そしてLUNGは肺である。スキューバ・ダイヴァーが水中でブクブクと泡を立てながら息をする、そういうイメージから作られた造語だ。

AQUALUNG:

Sitting on a park bench eyeing little girls with bad intent
Snot running down his nose / Greasy fingers smearing shabby clothes
Drying in the cold sun / Watching as the frilly panties run
Feeling like a dead duck / Spitting out pieces of his broken luck

邪心のこもった目で少女を見つめながら、公園のベンチに腰をおろしている
鼻から鼻水をたらし / 脂ぎった指を汚れた衣服にこすりつけ
冷たい陽の光に乾かされ / フリルのついたパンティが行き来するのを見つめてる
死んだカモのような気分で / 砕け散った運命のかけらを吐き捨てながら

Sun streaking cold / An old man wandering lonely
Taking time the only way he knows
Leg hurting bad, as he bends to pick a dog-end
He goes down to the bog and warms his feet

太陽が冷たく光を注ぐ / 老人は一人、彷徨う
彼の知る唯一のやり方で、時間をつぶしながら
犬の糞を拾おうと腰を曲げると、その足はやけに痛む
そして彼は沼に向かい、その足を暖める

Feeling alone / The army's up the rode
Salvation a la mode and a cup of tea
Aqualung my friend / Don't you start away uneasy
You poor old sod, you see, it's only me

孤独を感じながら / 軍隊は轍の跡を行く
サルヴェイション・アイスクリームと一杯の紅茶
友よ、これじゃまるで水中の空気ボンベだ / 苦しみと共にゆくなよ
貧しい輩よ、わかるかい、俺だよ

Do you still remember / December's foggy freeze
When the ice that clings on to your beard is screaming agony
And you snatch your rattling last breaths
With deep-sea-diver sounds
And the flowers bloom like madness in the spring

憶えているかい / 霧にかすんだ12月のあの寒さを
ヒゲに貼りついた氷のもたらすあのつらさを
そして深海のダイヴァーのような音と共に
お前はしゃがれた最後の息を掴み取る
そして春には花々が狂ったように咲き乱れる


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