BILLY JOEL / THE STANGER
               LYRICS & MUSIC by Billy Joel


Stranger とは見慣れない人間、つまり他人という意味である。アルバムのジャケットにあるのは能面と向かい合うビリー・ジョエルの姿。これはある日、自分の中に自分とは違う存在があったと事に直面した男のドラマだ。自分の中にある仮面という存在と向き合う、それを余儀なくされた男の曲なのだ。

THE STRAGER

Well we all fall in love / But we disregard the danger
Though we share so many secrets / There are some we never tell
Why were you so surprised / That you never saw the stranger
Did you ever let your lover see / The stranger in yourself?

人々は恋に落ちる / その危険も顧みずに
たくさんの秘密を分かち合いはするけれど / いくつか明かさない事もある
何をそんなに驚いているんだい / ストレンジャーに会ったことがないって
君の恋人は知らせなかったのかい / 君の中にいるストレンジャーの存在を

Once I used to believe / I was such a great romancer
Then I came home to a woman / That I could not recognize
When I pressed her for a reason / She refused to even answer
It was then I felt the stranger / Kick me right between the eyes

かつて僕は信じていた / 自分はステキなロマンチストだと
ところがある日、家に帰ると / 見知らぬ女が待っていた
なぜここにいるのか、僕は彼女に問いただした / だけど彼女は答えもしなかった
その時、感じたのさ / ストレンジャーが僕の顔面を打ちのめしたかのように

You may never understand / How the stranger is inspired
But he isn't always evil / And he isn't always wrong
Though you drown in good intentions / You will never quench the fire
You'll give in to your desire / When the stranger comes along

君には決してわからないかもしれない / ストレンジャーがどうして現れるのか
だけどそいつはいつも悪いとは限らない / 間違っているとは限らない
正しい徳の中で、もがき苦しんでいるけれど / 決してその炎を消す事はできない
ストレンジャーが現れるとき / それは君が欲望に負けた時なのさ

簡単に言えば浮気の歌とも言えるかもしれない。しかし能面と向かい合うモノクロの中のビリーの表情が語るように、大都会に住む人間の癒されない孤独感がそこにある。 この曲のイントロにある口笛が奏でるメロディー。人間の弱さ、もろさを表現した歌に実にマッチしている。


BACK