RUSH / VITAL SIGNS
       LYRICS by N.Peart
       MUSIC by A.Lifeson, N.Peart & G.Lee

ラッシュの歌詞はドラマーであるニール・ピアート(正しい発音はパートではなくピアート)が手掛けている。カナダのトロント出身のラッシュは北米ではAランクのロック・バンドであるが、それはもちろん歌詞に惹きつけられるファンが多いからだ。

この曲は1981年に発表されたMoving Pictures に収録されていたが、当時ファンの間では評判は良くなかったと言う(僕は好きだったが)。それまでのハードなリズムのロックと一線を画す、レゲエの要素を取り入れたこの曲はニールを始めメンバーのお気に入りだった。ラッシュはいつもこの曲をライブのレパートリーに入れたが(アンコールに選んだこともあった)、ポリースみたいな曲だと批判するファンもいた(僕はポリースも大好きなので問題ではなかった)。しかしニールはこの曲が歌詞、ヴォーカル、リズムなどあらゆる面でラッシュの傑作と位置付け、演奏し続けたのだった。

一見、難解であるように聞こえる歌詞だが、急速に発展してゆく現代文明の中で起こりえる精神の不安定を描いた歌詞で、決して難しい題材ではない。ちなみにVital Signsとは心電図モニターに映る生命線(生命徴候)の事である。

VITAL SIGNS

Unstable condition / A symptom of life
Of mental and environmental change / Atmosphereic disturbance
The feverish flux / Of human interface and interchange
The impulse is pure / Sometimes our circuits get shorted
By external interference / Signals get crossed
And the balance distorted / By internal incoherence

不安定な状態 / 心理と環境の変化に対応する生命の兆候
情調の妨げ / 人的接触と交差における高熱を帯びた流転
心の衝動は正直 / 時折、我々のサーキットは
外的要素に邪魔されショートするけど / 信号は通過する
そして内面における不可測によって、バランスが捻じ曲げられる

A tired mind become a shape shifter / Everybody need a mood lifter
Everybody need reverse polarity / Everybody got mixed feelings
About the function and the form / Everybody got to elevate from the norm
An ounce of perception / A pound of obscure
Process information at half speed / Pause, rewind, replay
Warm memory chip / Random sample, hold the one you need

疲れた心は形を変えてゆく / 誰もが気分を盛り上げてくれる何かを求め
誰もが両極の逆転を望む / 誰もが機能と様式に関して迷った感覚を持ち
誰もが凡庸から向上しなければならない
1オンスの知覚と1ポンドの不明瞭が / 半分のスピードで情報を消化する
一時停止、巻き戻し、再生 / メモリー・チップが熱くなる
ランダムなサンプル / 君に必要なものを選ぶがいい

Leave out the fiction / The fact is, this friction
Will only be won by persistence / Leave out conditions
Courageous convictions will drag the dream into existence

作り話なら放置するがいい / 真実とは、このあつれきが
持久力だけによって得られるという事 / 現状を放置するがいい
勇気ある良心の呵責は夢を実在へと導く

そしてこの曲のクライマックスは「誰もが凡庸から向上しなければならない」というリフレインで終わる・・・・。


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