JIMI HENDRIX ジミ・ヘンドリクス

中学二年のときに親類から ELECTRIC LADYLAND のアルバムを譲り受けたのがきっかけだった。このアルバムは初回プレスの新品同様で、まだジミが生きていた頃書かれたライナー・ノーツがついていた。 COME ON で聞かれる早弾きはアルビン・リーもびっくりだろう、などと書かれたものを憶えている。それからフィルム上映会なども観にいったり、高校生の頃ジミは僕の神様だった。

ELECTRIC LADYLAND ではVOODOO CHILE(スティーヴィー・ウィンウッドも参加)、CROSS TOWN TRAFFIC、ALL ALONG THE WATCHTOWER(アコギを弾いているのはデイヴ・メイソン)など気に入っている曲が多いけど、そのトータルな雰囲気が大好きだ。

また他のお気に入りアルバムではR&Bのいい雰囲気を出している BAND OF GYPSIES。それからジミが最後にやろうとしていた事がよくわかる CRY OF LOVE。二枚目の AXIS:BOLD AS LOVE も良い。彼が生きていたらロックはどうなっていただろうなんて昔は考えていた。クラプトンも素晴らしかったが何と言っても才能ではジミがナンバー1だ。

またジミはロック界の黒人初めてのスーパースターでもある。若くしてプロ・ミュージシャンとしての活動を始めるも、アメリカではクラブで演奏しているに留まったジミをアニマルズのチャス・チャンドラーがイギリスに連れていって、ジミの名が世界にとどろく事になるわけだが、彼のキャリアをダメにしたのも音楽業界の取り巻きだった。毎晩ドラッグとグルーピーを与え、感覚を麻痺させながらツアーに狩り出したイギリス人のマネージャー。彼の死後もしこたま儲けた連中がいる。今もカリブの島で豪華に暮しているという事だ。あまりにも酷かったのでクラプトンなどのミュージシャンが集まって、ジミのレコード売上を彼の家族に返すように運動をしていたのは喜ばしい事だ。

余談だけど80年代ジミそっくりのパフォーマンスで話題になったランディー・ハンセンという男がいた。83年頃彼のライブをウイスキーで観たが、とんでもないライブだった。いきなりARE YOU EXPERIENCED?で始まる構成、ジミの曲を完璧に歌いながら超人的なテクニックで弾きこなすランディーにも圧倒された。歯で弾く、頭の後ろで弾くは当たり前、ステージの上を転げまわり、そしてウイスキーの外へ出て一周してきたり・・・。あの男は或る意味天才的なイミテイターだった。そして今もフォロワーの絶えないジミの遺産。それは永遠である・・・

戻る