KANSAS    カンザス (正しい発音はキャンザス)

私が世界最高のロックバンドとして拝めているバンドである。中校生の時、DUST IN THE WIND を聞いたのがきっかけでライブ盤 TWO FOR THE SHOW を購入して以来の大ファンである。その後に出した MONOLITH で日本でも大々的にブレイクし、1980年に初来日を果たす。当然、武道館に見に行った。なにせあの時のスティーブ・ウォルシュは元気一杯だった。ライブが始まる前からステージに踊り出て、観客を煽っていた。髭をたくわえた感じはプロモーション・ビデオで見るより年をとって見えたが。この時のライブはブートレッグで持っているけど、今から聞いてみるとスティーブもよく声がでているようだ。当日はイマイチの感じだったけど。2階席で見ていた武道館の音の悪さもあったのだろう。

アメリカに渡ってからもカンザスがLAに来るたびに観に行った。82年は改装したばかりのユニヴァーサル・アンフィシアターだったがこの時のヴォーカルは新加入のジョン・エレファンテだった。バンド結成10周年という事でバンドも精力的に活動し、シングルの PLAY THE GAME も売れてはいたが、コンサートはイマイチ。ジョンも地元で張り切っていたが広いステージを走りまわっているうちに転んで失笑。それを取り繕ったロビー・スタインハートまでも転倒・・・ちょっと締まりのないライブだった。

それからしばらくしてスティーブが復帰し、テクニシャンのスティーブ・モースを加えるもバンド活動自体は小規模なものだったが、90年代に入って突如、大々的にツアーを行なうようになる。91年、アナハイムのセレブリティー・シアターに登場したカンザス。ケリー・リヴグレンとスティーブ、フィル・イハート、ビリー・グリア、リッチー・ウイリアムスに2人の知らないメンバーを加えたライブは強烈だった。この時初めてデイヴィッド・ラグスデールを観た。彼の加入で演奏力が増した7人のメンバーによるライブは素晴らしかった。アンコールの時、ステージ前に駆けより見上げたスティーブの表情が忘れられない。ロンゲに戻し、実に元気に駆けまわるスティーブ。しかし CARRY ON WAYWARD SON を歌いながら自分の頭をこずく仕草を見せた彼の表情に、70年代後半人気絶頂にありながら、さらなる飛躍を目指しバンドを脱退するも、それ以降は全く冴えなかった自身に対する苦悩の表情を垣間見た。

その後もケリーこそ参加しなかったが精力的にツアーを続けたカンザスを何度も観た。特に FREAKS OF NATURE を発表した後のライブは良かった。スティクスと行なったツアーは二夜続けてみたが、本当に素晴らしかった。バンドとして実に完成度の高い演奏をしていたし、アルバムもいい出来だった。96年は日本に帰国した年だが、いきなりカンザスも16年振りの来日を果たす。あのチッタでのライブも忘れる事ができない。しかしその後、ロビーが復帰し5人編成で行なうライブに関してはあまり関心がない。アルバムも出しているが、以前のような輝きはない。それでも来るたびに観に行っている。前回の厚生年金ホールでも僕の大きな声援にロビーが「あの男か」と一言返してくれた。カンザスのメンバーも私のホームページを見てくれていたらしい。

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