LED ZEPPELIN   レッド・ゼッペリン

日本でのハードロックの人気はディープ・パープル、そしてリッチー・ブラックモアが支えてきたと言っても良いかもしれない。しかし欧米では圧倒的にハードロックと言えばレッド・ゼッペリンの知名度が高い。それからAC/DC、ブラック・サバスと続く感じでディープ・パープルはあまり支持されてはいない。ましてやレインボウとなると、忘れ去られた存在だ。ロニー・ジェイムス・ディオがブラック・サバスで知名度を高めた為、レインボウが見直されたほどである。しかしなんと言ってもレッド・ゼッペリンの絶大なる地位は揺るぎ無い。

ジミー・ペイジの才能の素晴らしさには脱帽する。イングヴェイ・マルムスティーンが最も過大評価されているギタリストだと言っていたが、確かに指先のテクニックだけで評価を下したら、ジミーの危なっかしいプレイはその後のハイテク・ギタリストにはかなわない。しかしアメリカのロック・ファンはそんな事に気をとらわれはしない。あれだけ素晴らしい曲を次から次へと作り出したジミーへの評価は高いのだ。しかし個人的にはどうもロバート・プラントの歌があまり好きでは無い。いや、1・2枚目は良いのだけどその後は聞き苦しい。当時は声の管理方法が確立されていなくて、殆どのハードロック・ヴォーカリストが声のトラブルにあっているわけだが(イアン・ギラン、クラウス・マイネなど)、あまりにも過酷な歌い方をしていたロバートは声をつぶしてしまい、3枚目以降は好きではないのだ。それでもこのバンドへの高い評価は変わらない。

もう一つこのバンドの人気が高い理由に、バンドにつきまとうミステリアスな雰囲気を挙げなくてはならない。全世界で最も人気の高いロック・ソング「Stairway To Heaven」を収録した4枚目のアルバムは4シンボルズと呼ばれている。実はこのアルバムには英語のタイトルはなく、4つの摩訶不思議な文字が書かれているだけなのだ。それで4つのシンボルと呼ばれている。この頃からゼップにはミステリアスな逸話がまとわり付いて来る。まずペイジ自身が黒魔術への興味をあからさまにした事。1970年にはロンドンの郊外にあるサタニスト、アレイスター・クロウリーの自宅まで購入している。オジー・オズボーンも Mr.Crowly という曲を書いているので知っている人も多いだろう。

そして1980年の9月、ドラマーのジョン・ボナム(愛称ボンゾ)がジミー・ペイジの自宅で死去してゼップは解散するのだが、ボンゾの死についても当然、様々な憶測が飛び交った。死因は酒を飲み続け泥酔してジミーのベッドで寝こんだところ、嘔吐物が喉につまり窒息死だったという事だが、イギリスの雑誌がその時ジミーは悪魔教のローブを着て呪いをかけていたなどと書いたのだ。ジミーはこの雑誌社を訴えて勝訴している。

呪われたバンドという人々の考えにジミーは笑う。もし本当に呪われていたらこんな大成功はしてなかっただろうと・・・・。

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